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2026/07/01

杉山哲雄ピアノリサイタル ベートーヴェン ソナタ連続演奏会(全10回)⑥ を聴いて

 日時:2026628()230分開演

場所:銀座王子ホール

主催:杉山ムジーク・アカデミー

曲目:ベートーヴェン作曲

ソナタ第9番、ソナタ第16番、6つの変奏曲、ソナタ第26番(告別)

アンコール:やさしいソナタ第二楽章

 台風8号、その後台風7号が27日になんとか通り過ぎていたが、台風7号は当日の可能性もあり、無事公演同日でなくよかった。しかし当日も天候が悪く、雨で、お客さんは満席にはならなかった。626日富士五湖でも震度6弱の地震があり、その前日625日、岩手でも震度6強の大きな地震があったばかりで、何となく不安定な気候状況が続いている。

 1曲目はソナタ第9番で、杉山さんの特有の低音の響が伝わってくる。これはスタインウエイの特徴なのかもしれないが。ソナタ第16番で、結構明るく、また互い違いに飛び跳

  後半は最初の曲は6つの変奏曲で、この楽譜ができる12日前に、ハイリゲンシュタットの遺書が書かれていたと。格調高いドイツ語で書かれているが、この6つの変奏曲も表現に確信を持っていたことがうかがわせる。チラシによれば穏やかな旋律は厚みのある和声とポリフォニーに支えられて豊かな表現である。音楽の歴史から見れば、バッハ、モーツアルト、ベートーヴェンとピタゴラス音律から、クラッシック音楽の時代に変化していって、この和声を確立させたのだろうと考えられる。したがってこの表現に確信を持っていたことが理解できる。

 杉山さんが、「ソナタでベートーヴェン自らがつけた標題音楽はこの告別だけ、先入観が入ってしまうという恐れもあるが」といっていたが、「告別」、「不在」、「再会」という流れになっていて、この「告別」では悲しさが現れ、「再会」では喜んでいる様子が感じられる。多分今回のコンサートでは、この曲がメインの曲かもしれない。18094月にオーストリアとフランスが戦争状態に入り、ナポレオン軍がウイーンを占拠、ルドルフ大公が避難したことがあったようだ。ただ翌年の130日にはルドルフ大公はウイーンに戻り、これが作曲のきっかけになったようだ。チラシでは、第三楽章の再会について、「ffの力強い音型で始まる経過には祝砲や花火のような音が聞こえ、ベートーヴェンが楽しんで作曲している様子が想像できる。」と具体的に述べている。

 杉山さんは、このベートーヴェン ソナタ連続演奏会で、ベートーヴェンの創作の神髄に迫ろうとしているような気がする。音楽家の意気込みが感じられた。


写真:公演がはねて、お客さんが退出してから撮影した。