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2026/03/30

神奈川大学 幸田先生の最終講義~住民自治、市民自治の実質化に向けて~を聞いて

 この最終講義には、山下埠頭再開発の横浜市の専門委員として活動していて、しかも市に住民をメンバーに加えろという運動をしていた幸田先生の最終講義があることを、山下埠頭の開発の住民側の先頭に立っている中村さんから紹介された。

日時は2026327()で、講義は神奈川大学3号館205号室で、150名ほどが入れる講義室であったが、学生はほとんど見当たらず、先生か、中村さんが呼んだ山下埠頭の開発に関する住民と思われる。

 幸田先生は神奈川大学の法学部教授であるが、最初は国土交通省に所属していて、実務で経験していたようだ。1970年代は長洲一二らによる地方自治を担う首長によって理論づけがされるようになってきた。幸田先生の最初の大きな仕事は、伊丹空港の中村地区で、空港の拡張工事に伴い、戦前に工事をしていた韓国・朝鮮人の飯場が国有地の中村地区につくられ、戦後も彼らが家を建てて居住していた。ただ劣悪な環境で、国有地に居住するという環境を改善し、空港を拡張する必要にも迫られてしまった。これを、法律を作り、別の土地に住宅を整備して、そこに移転をしていただき、解決したとのこと。チラシの中にこの解決には、国土交通省と伊丹市職員の人生を掛けた苦闘があったと元中村地区の自治会長の丹山さんが評価している。中村地区の集団移転は、在日の誇りをもった地域住民の文化的なコミュニティ保持と国による用地提供と、伊丹市の共同住宅の建設という事業で成り立ったものだ。これを解決するためには直接対応した人、幸田雅治の現場に飛び込んで、そこの住民と解決する努力をした。並大抵のことではできない。

二番目のテーマは、消防団員の女性隊員の積極的活用の道を開いたとのこと。さらに次のテーマは行政不服審査法の使い方という幸田先生の著作についてで、保育の質を考えるという章の中(以下に示す資料の2枚目)で、子供の発達心理学的知見に基づく寄稿を川田学が行った、とあった。この川田学は私の甥で、現在、北海道大学教育学研究院教授で、結婚したばかりの時には数年、我が家に住んでいたこともある大変親しい人だ。今でも時々メールのやりとりをしている。次のテーマは平成の市町村合併批判で、地方自治の保障には、中央政府のみに権力を集中するのではなく、政治を分立ささせる必要がある。合併をした町などでは人口が減少しているところが多い。

 幸田先生の最終的な結論は、「自律性の原理」における「自律」の意味は、「外部からの支配を受けないこと」と「自らの規範に従って行動する」の2点で、「住民自治」の侵害は、外部からの介入(支配)が容認できないレベルに至り、住民の意思が反映されなくなること。

この結論は山下埠頭再開発問題に絡んで考えることができる。

私も10年間ほど、この神奈川大学の環境学科の寺尾先生の下で、環境実験を担当していたので、とても懐かしいところだ。