ページ

2025/03/21

八王子の大学セミナーハウス見学

 日時:2025318日(火)

松本さんの車で、我が家に1010に迎えに来てくれて、11時半ごろ最初の目的地である八王子の蕎麦屋車屋に行った。場所は八王子市越野3-10で、松本さんの選定である。車屋の建物は会津只見地方の150年余りたった住宅を移築したものとチラシに書かれていた。茅葺きの屋根の上に銅板を上葺きして存在していた。また天ぷらも蕎麦もこだわりぬいてつくったようでおいしかった。



大学セミナーハウス

場所:東京都八王子市下柚木1987-1

設計:吉阪隆正+U研究室

昼ごはんの後次の目的地の大学セミナーハウスに行った。ホームページによれば最寄駅 JR八王子駅・京王線北野駅・京王相模原線南大沢駅からバスと書かれている。大学セミナーハウスの設計は当時早稲田大学の吉阪隆正とU研究室で、八王子市下柚木に1965年に開館した。吉阪隆正は1950年から2年間、コルビジェのところで働いていたとのこと、そこから帰ってきてからヴィラ・クックを立てたようだ。竣工は1957年(昭和32年)。それから八年後に大学セミナーハウスが出来た。まず本館に行って、敷地の案内図をいただいた。本館は上下逆三角形の建物で大変印象的な形をしている。それを写真に示した。松本さんも大きさの比較のため?に入ってもらった。外壁はコンクリート打ち放しのままで、型枠のギザギザの面も型枠同士の間のわずかな隙間にもコンクリートの荒々しい感じが残っている。建設から60年たっているが、傷んでいないように感じる。入り口の庇はまるで河童のくちばしのようだ。次の写真は、この建物の最上階にある多目的ホールである。松本さんに話をしてもらったらやはり、声が聴きづらい感じだ。仕上げがほとんど音の反射性の材料でできている。椅子もプラスチックで出来ているので、これも反射性だ。多分天井が高くないので満席になれば人が吸音してくれるような気がするが、そうでない場合には座布団などの吸音材があるといいように思う。さらにその次の写真はこの建物の断面の模型である。中央に階段を設け、その周りに部屋を作り、最上階にはこの多目的ホールがある。それぞれの内部空間は天井が低く、内部空間の美しさというような意識的な空間は無いように思う。






この建物の4階から黄色の橋を使って、講堂に向かった。講堂ではハンドベルの練習をしていた。天井には多分音の拡散板がぶら下がっていた。部屋全体的に音の反射性でできていて、ハンドベルの音はきれいに響いていた。オーケストラなどの練習にも好ましい響きが得られるような気がする。ただこの部屋も主目的は講堂と有るので話声の明瞭性が重要で、この場合も座布団が必要な気がする。窓は、外部はスチールサッシでできていたが、内部にペアガラスの入ったアルミサッシが多分遮音性向上のために設置されたようだ。窓を二重窓にしたと言うことは、ある程度室内で音量の大きな演目があるのだと思う。この後松下館とかセミナー室を見て、さくら館を通り、複雑な構造の長期館にいき、国際館に行って、本館に戻り、図面を見せてもらって帰った。私はほぼ4年前に脳梗塞を患い、歩くことも不自由をしていたが、本館の上下の移動や講堂やそのほかの施設の移動など、エレベーターはもちろんなく、階段などによる移動、しかも手すりのないところもあった。障碍者も対象にするとしたら、今後やらなければいけなそうなところもたくさんあるような感じだ。ただ施設としては大変魅力的で、逆三角形の本館は地面から生えてきたような生物的な印象で、非常に興味深い。またこれを見るだけでも楽しくなりそうだ。


松本さんのチェックによれば、「 八王子セミナーハウスで閲覧した図面では 本館の1階平面図は一辺13.4mの正方形 4階平面図には寸法表示なく換算すると一辺おおよそ18mの正方形 階高を仮に2.8mとして作画すると外壁面の逆傾斜角は約75°でした。平面図によると4階のセミナー室は以前食堂だったようです」

旧白洲邸、武相荘

その後、帰る途中にある旧白洲邸、武相荘(ぶあいそう)にいった。場所は町田市能ケ谷7丁目にあった。すでに3時半になっており、ミュージアムが見れたが、355分でカフェに行ったら、本日は閉店ですと言われ、残念ながらそこで本日の印象などを話し合えなかった。武相荘の武は武蔵、相は相模を用いて、「ぶあいそう」となづけたようだ。そのカフェは意味どおりのまま「ぶあいそう」だった。昭和18年(1943)に鶴川に引っ越してきて、その後60年余りそのままの形を残してきたようだ。2001年に旧白洲邸を開館したと書かれていた。茅葺き屋根の民家が白洲次郎・正子の家と考えると、ポルシェを乗り回していた人に対しては考えにくい建物であるが、この建物も本物志向の彼の人柄を表現しているのかもしれない。仕方がないので更に帰り道にガストによってコーヒーを飲んで、おしゃべりして帰った。