私のもっている横笛、中国の竹笛(G尺)、韓国の多分ソグム、(ただしプラスチック製 ソウルの公園で購入、韓国には尺八を横笛のようにした横に長いテグムという笛もある)、弘前ねぶた囃子の篠笛、この指穴のあけ方はソグムとほぼ同じ。
写真 上段 中国の竹笛、中段 韓国の横笛ソグム、下段 ねぶた囃子の篠笛
さらにお囃子の篠笛:私の所有している篠笛は、獅子田製のお囃子用の篠笛で、4本調子、5本調子のものである。お囃子は大太鼓、締太鼓2台と篠笛、さらにチャンチキで演奏し、篠笛はメロディー部を演奏する。なお私が元関係していたお囃子は荏田のお囃子である。今は脳梗塞を患ったために参加できていない。
写真:篠笛 上段:5本調子、下段:4本調子
篠笛の音律と平均律
篠笛の指孔はほぼ等間隔であけられている。ピアノの鍵盤は等間隔であるが、たたかれる弦はドレミに合わせて作られている。したがって弦の長さは、指数関数的に、21/12ずつ変化している。すなわち対数尺でほぼ等間隔にあけられるので、篠笛とは多少音律が異なっている。平均律の周波数と、計測した篠笛の周波数について、下表で比較してみる。篠笛の音の周波数は、下記のようにFFTにより実際に笛を吹いて音を出して周波数分析を行ったものである。5本調子の篠笛と平均律*2とを比較すると、篠笛/平均律は1~1.1程度の違いであるが、ドについては1.046倍であるが、ミの音が1.117倍、ソの音が1.136倍と一番ずれている。平均律で慣れている人には、このミからソまでの音は少しづれていると感じるかもしれない。4本調子の篠笛の場合には、全体的に平均律より低い音になっていて、しかもミからシまでは平均律よりさらにより低い音になっている。
表 平均律と篠笛の周波数の比較
音名 |
C4(5) |
D4(5) |
E4(5) |
F4(5) |
G4(5) |
A4(5) |
B4(5) |
C5(6) |
音名 |
ド |
レ |
ミ |
ファ |
ソ |
ラ |
シ |
ド |
平均律 |
261.6 |
293.7 |
329.6 |
349.3 |
392 |
440 |
493.9 |
523.2 |
平均律*2 |
523.2 |
587.4 |
659.2 |
698.6 |
784 |
880 |
987.8 |
1046 |
篠笛5本調子 |
500 |
550 |
590 |
630 |
690 |
800 |
900 |
1000 |
平均律/5本調子 |
1.046 |
1.068 |
1.117 |
1.108 |
1.136 |
1.100 |
1.097 |
1.046 |
篠笛4本調子 |
450 |
490 |
520 |
580 |
620 |
690 |
800 |
900 |
平均律/4本調子 |
1.162 |
1.199 |
1.268 |
1.204 |
1.265 |
1.275 |
1.234 |
1.162 |
図 篠笛 5本調子のドの音のFFT分析結果、500Hz位が基本周波数
したがってお囃子用の篠笛(5本調子)もお囃子や獅子舞の時に使う因幡のほか、平均律とは大きく違っているわけではないので、五線譜を見て、「ねんねんころりよ」、「赤とんぼ」、「ふるさと」、「東京音頭」、「よさこい節」、「あんたがったどこさ」などの日本的な曲や、さらに坂本龍一作曲の
「Merry Chiristmas Mr.Laurence 」、プッチーニのオペラジャンニ・スキッキの中の
「私のお父さん」なども吹けるようになってきた。