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2007/12/25

ハーフPCaボイドスラブの減衰定数についての論文が日本建築学会技術報告集第13巻第26号に掲載されました

ハーフPCaボイドスラブの58箇所の床振動実験を行い、その減衰定数を分析した結果を日本カイザーの堀内さん、ボイドスラブ協議会の佐藤さんと共同執筆いたしました。

集合住宅のボイドスラブは、振動減衰波形にうなりを生じているものが多く、単純な対数減衰率から求めることが出来ないために、シュレーダー法による減衰波形から残響時間をもとめ、その値から減衰定数を求めました。その結果、うなりの原因は隣接するスラブの固有振動数が近いために影響を受けていること、またこのハーフPCaボイドスラブの減衰定数はおおよそ1.7%であることが求められました。一般的なコンクリートスラブの減衰定数2~3%の値より小さな値となっていますが、これはボイドスラブの剛性が大梁と比較して大きく、小梁などの減衰要素が無いためと考えられます。環境振動などの影響を考えると減衰定数は大きいほうが良いと思われ、小梁に変わる減衰要素によって減衰を大きくすることも今後の課題と考えられます。

分析を指導していただいた信州大学の山下先生、分析に協力をしていただいた同じく信州大学修士課程の森川さんに大変感謝をしている次第です。また論文の評論をしていただいた日本大学の井上先生、鹿島建設の安藤さんにこの場で、感謝の意を表します。

この床振動実験は、ボイドスラブの実験方法、その評価方法、振動に関する設計方法などを検討するために行った実験であり、目的に沿って今後とも継続していく所存です。